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喪服を借りることは失礼ではないか?
喪服の写真02
喪服を借りることに抵抗感がありながら、自身は喪服を持っていないという話をよく聞きます。ジンクスのひとつとして、喪服を持つと不幸がやってくる・・などという、根も葉もない話もあるそうです。しかしそれは、まったく根拠のないことです。ある程度の年齢になれば葬儀に参列する機会も増えていきます。その時に自分の喪服を持たないとなると、体裁が悪いということになります。喪服を借りること自体は、失礼ではありません。喪服のレンタルも多くレンタルの方が一式滞りなく揃うというので、活用している人も数多います。また、喪服指南の説明書がついていることも多く、マナーについて即席ではありますが、知ることができます。問題は、人から直接借りるという行為です。友人や知人から、喪服を借りるとサイズの問題などで苦労することがあります。キツくてピチピチしていたり逆に、ぶかぶかで、見栄えが悪いというものです。如何にも借りたという事がわかる装いは、避けたほうがいいかもしれません。返却する時にも、汚れやシワの問題でトラブルを招きかねません。人から借りるくらいならば、安い喪服を購入したほうがいいかもしれませんね。

地域や世代にもよるのでしょうが、喪服を借りるのは恥であるという考えや、失礼にあたるという風潮が現在においてもまだ残っています。これはかつての日本の嫁入り風習に起因する考えであり、そもそも現代的であるとは言えません。昔は嫁入り道具として、実家の家紋が入った和装の冠婚葬祭用の礼服をきちんと用意する習わしが機能していました。娘を他家に嫁がせる際における当時の親の務めでもあり、ある種の社会的常識でもあったのですが、つまりは自前の和装で弔事に参加できないような有様では、実家はもとより、嫁ぎ先の恥とも受け取られかねない時代がかつては存在していたわけです。喪服を借りるなど論外という考えは、まず以てこのような旧時代における常識の名残りであると言えます。しかし、常識は常に時代によって変化します。何より洋装の定番化によって、前述したような和装にまつわる嫁入りの因習は実質的に機能しないものと化しました。ですから、必要に応じて喪服をレンタルするということは、現在では全くもって失礼にはあたりません。むしろ便利なレンタルをどんどん活用すべきでしょう。
喪服の写真01

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