男性の場合、喪服のスーツの中にベストを着ても良いのかという事に関心があると思います。
喪服購入の際にセットになっていたベストの場合はそのまま着ても遜色ありません。
しかし、あなたの選んだ喪服にベストが付いていないにも関わらず、独自な観点からベストを付け足すのには難色を示さずにはいられません。
例えばニット素材のベストなどを好みで付け足すと、一気にカジュアル感が前に出てしまうので、やめたほうが無難でしょう。
もともと正礼装のモーニングには、ベストが付いています。
こうしたイメージから略礼服の喪服に、ベストを合わせても良いのではないかという勘違いが発端になって、略礼服にベスト付きで販売されているとの話もあります。
モーニングを着用して葬儀に参列するのなら、問題はないので是非着用してください。
本来は、ベストは喪服に着ないという事でしたが、日本独自の文化の中でこうした試みも根付いている背景があります。
セット売りの喪服にベストがついていたのなら、自然な形で着られる仕様になっているはずです。
周囲の雰囲気をみながら、参列してみてはいかがでしょうか。
慶事ならば解りますが、弔事においてベストを着用するのは好ましくないという声をよく聞きます。
確かに実際、普段お通夜や告別式などに参列した際、周りでそれを着ている人はあまり見かけません。
しかし、だからといってそうした身の周りの現状をもとに、弔辞のマナーに適っているか否かをあっさり判断してしまうのはいささか軽率であると言えます。
ベストに関していうと、実は喪服がスリーピースならば、きちんと着用するのがむしろ正規の形であったりもするのです。
そもそも正喪服であるモーニングでは、喪の姿勢に適さないという理由から白襟は外しますが、同時に必ず黒のベストを身に着けるのが礼を失しないための正しいあり方とされています。
このように、「あまり見かけないからマナー違反なのでは…」と認識されてしまいがちなことでも、礼装のルーツを探るとまったくそれが問題のない行為であるということが得てして見つかります。
冬のシーズンの葬儀ならば寒さ対策も必要となってきますから、それも考慮しつつスリーピースを準備しておくというのも良いのではないでしょうか。